公園の管理運営を提案する演習

 後期のオムニバス科目で,公園の管理運営のプロポーザルをする演習.最終的には,某公園の管理運営のアイディアをまとめて,書類とプレゼンを作成する.例年,学生ならではの管理運営プランが1つか2つは出てくる.この科目は,将来,コンサルタントや行政につとめて公園管理に関わるであろう学生が数名受講している.少人数だから講義形式とせずに,ディスカッションや対話を主体として,じっくりとした授業ができるのはありがたい.
 僕の担当時間は今日と再来週に1コマずつ.ふられているテーマは「公園における自然環境の保全」だ.
 まずさいしょに「なぜ,なんのために,公園で自然環境の保全をするのか?」を学生にたずねてみた.すると,造園・園芸には興味があるが自然の生き物にはまったく興味がないというM君,「そうなんです.今回のテーマは自然環境保全がありきになってて,公園でそういうことをする必要があるのか僕には理解できないんです」という.受講生の中にこういう学生がいると,保全寄りの学生はじっくりと考えるようになるかもしれない.
 そのあとは,保全や順応的管理のフローのうち,調査から環境評価・保全方針検討までの手法を議論して,最後に例題をやってもらった.例題は,「対象としている公園内にとりのこされている放置里山林をどうあつかうべきかを考え,説明する」というもの.説明の際に,公園内・地域・近畿地方といった様々なスケールの空間軸と,過去・現在・未来の時間軸の中に残存林を位置づけてもらうようにした.