海浜における人為攪乱……海岸清掃

 海水浴場,とくに北西側に開いた海水浴場は,冬期の漂着ゴミがすごい.海水浴シーズンまでにこれを片付けないといけない.そこで登場するのが各種の海岸清掃用の機械.
 自走式ビーチクリーナ.前部についた羽根車で砂を攪拌しつつベルトコンベアに載せ,車体下部をコンベアにのった砂が後方へ移動し,後部のふるいにかけられる.植生最前線の位置がビーチクリーナの走行によって規定されている海浜があるかもしれない.この写真を撮った海浜では,発達した海浜植生にはビーチクリーナは侵入していなかった.この機械は発達した植生は苦手なのか,あるいは植生を保全するためかはわからない.ただ,最前線の被度の低いところは影響を受けているようだ.

アーステクニカ製自走式ビーチクリーナ.EBC2000.

ビーチクリーナが走行したあと.車体最後部についたハケで,クローラ(キャタピラ)の跡を消しながら進む.
アーステクニカEBC2000(メーカーサイト)
新キャタピラー三菱製BELLACOSTA(メーカーサイト).にせんにひゃくまんえん.
 
 漁具とか古タイヤのような大きな漂着ゴミに対しては,下の写真のような機械が活躍する.バックホウにふるいをとりつけて行うタイプ.スケルトバケットを使うこともあるが,こちらのアタッチメントはなかなか凝った構造をしている.製品名はサイレントアミダス.機械の名称はバケット型トロンメルというらしい.写真で横に立っている人は約163cmのスケール.下に,メーカーのyoutube動画をはりつけておく.現地でみたときはあのドラムが回転するとはおもわんかった(考えたら分かりそうなものだけど).けっこう大きなアタッチメントで,僕が乗れないサイズのバックホウ(僕は3t未満しか乗れない)につけている.大型のバックホウが海浜に乗り込み,耕す.


 ほかにもいろいろな海岸清掃マシーンがある.「ビーチクリーナ」や「ビーチレーキ」で検索するとヒットする.
新潟県の建設機器レンタル会社のサイト
フリッパーVがかっこいい.
 
 海岸清掃のサイトをいくつか眺めていると気になることもある.
 小さなふるいをつけたバギーによる海岸清掃を紹介しているサイトで「集められたゴミのほとんどは小さな木片と貝殻」などと書かれていたけど,それってゴミですか?
 この手の認識のずれは,保全上のひとつの問題だと思う.