ゼミ

 2限はゼミ.じゅるたをやってる受けもち学生が進捗報告をした.これまでの踏査をした範囲で50筆以上のじゅるたを確認したといい,その分布図,空中写真による周辺環境の確認,近景写真などを紹介.今年は1年生の学生からも積極的に意見がでてきて,ゼミの雰囲気がいい.他の教員からもいろんな意見をいただけた.
 じゅるたの写真をみてみると,どうやら「真のじゅるた」と「みかけのじゅるた」があるように思われる.ここでいう真のじゅるたは排水不可能なじゅるた.みかけのじゅるたは排水できるんだけど排水モードにしないまま休耕または放棄しているもの.これらには,来歴の違いを反映した組成の違いがあるかもしれない.また,放棄じゅるたでは,遷移の進行の度合いが様々で,さらには,近隣ソースの関係か,じゅるたの環境によるものか,おなじように樹林化していてもハンノキ林だったりヤナギ林だったり様々だ.実にじゅるたは多様である.
 先週のテーマ発表会ではもっともらしいテーマと目的を提示したが,まずは真剣にじゅるたの多様なる実態を把握して,そのうえで,じゅるたで本当に必要な課題を探索したほうが,迫力のある,そして意味のある研究になるのではなかろうか.たった1年しかできない研究で,しかも4月は就活だなんだあって大変だとは思うが,地に足つけて進むためにはたくさんのじゅるたを無垢な目でみるべきと感じている.
 また,現段階では排水不能な水田をじゅるたと仮称して研究をすすめているが,淡路の言葉が指しているじゅるたは異なるものである可能性もある.地域の複数の方,多様な世代の方にきちんと聞き取り調査をして,地域の人が水田をどのように区分・認識していたかを把握してほしい.そして,その結果を植生学や保全生態学とむすびつけるようなことを考えて欲しいなあ.