元町にて

 勤務校の某課程の講義のため,神戸に出た.90分×2コマ.土曜の午後にそんなことされたら,聞く方もしんどいだろうから,いろいろと遊べるような講義にした.テーマは里山の文化と植物.まずは里山とはなにかを知るところから.雲南省の原生林(ほんとに原生かはよくわからないが,少なくとも遷移がかなり進んだ状態の林)の写真と,淡路の里地里山の写真,どちらも高所からの俯瞰写真.これらを比較して相違点をできるだけたくさんあげるゲーム.そのあと,おもひでぽろぽろの1シーンを提示して,その背景画に描かれているものをできるだけたくさんあげるゲーム.この2つをやると,里地里山の成り立ちや景観要素(植生)について,それなりに答えが出そろってくる.そのあとで,おもひでぽろぽろのトシオさんのセリフを引用して,里地里山の成り立ちを実感してもらう.そんなところから出発して,里山林,里地の半自然草原,水田を中心としたウェットランドとそれらの生物相,現状についてざっと説明して最初の100分がおわる.のこり80分の冒頭で,出席者全員に柏餅の絵を描いてもらう.今回も,カシワの絵を描く人とサルトリイバラの絵を描く人が現れて,うまく話につなげられた.これ,そのうちカシワしか出てこなくなりそうでちょっとドキドキする.四国の人がいると,確実にサルトリイバラがでる.授業中に柏餅を配ってみんなでたべた.宿題のレポート課題は,自分の故郷で,野生の植物を使う行事や文化について1つ以上発表するというもの.これ,数年前からやっているけど,出てくる答えがけっこう面白くて楽しみにしている.