百舌鳥のはやにえ

 正月から凍える日がつづいていたが,とつぜんあたたかく風もなくおだやかな日.昼食のあと,部屋にもどるまで学内を遠回りしていたら,地上2.5mくらいの枯れ枝の先にバッタの死骸がつきさしてあった.おお.これはもしかしてもずのはやにえ.ちょっと嬉しくなって,まじまじと見上げて眺め回してからいったん部屋にもどった.2時間ほどしてからカメラと脚立をもって現場にもどったら跡形もなかった.まじまじと眺め回されたせいで持ち主のもずの方がヤバイと思って隠してしまわれたのか.はやにえって置きっぱなしじゃなくて場所を移動するものなのか,子供の頃に読んだ本では「はやにえをつくるけど忘れてしまって食べないのもある」とか書いてあった気もするが,ほんまかいな,いろいろと不思議だなあと思った.
 不思議といえば,もずのはやにえってとても有名ではあるけれど,もずがはやにえをつくる瞬間をみたことない.それどころかもずが狩りをするところもみたことがない.昔の人はもずがはやにえをつくるところをみていたからこそ「もずのはやにえ」という言葉がうまれたのだろう.昔の人は優雅やなあ.
 なんやねん「昔の人」って粗い言い方しとんな,自分.