ツリガネニンジン

 matsut氏がツリガネニンジンとキキョウのカタチの違いについて書いている.キキョウは茎の下方に茎葉が少ないため,ツリガネニンジン(茎の下方まで大きな茎葉を持ちさらに根生葉も持つ)にくらべ草刈りに対する耐性が低いだろうという指摘である.

 たしかに,ツリガネニンジンは年1回の草刈り地だけでなく年3〜4回くらいの草刈りを受ける立地(すなわち畦畔)にもみられる.これに対し,キキョウの自生個体は年1回の草刈りを受ける立地(すなわち採草地)でしか見かけないようだ.

 2年前の演習授業でツリガネニンジンを草原に播種して育てたところ,発芽1年目は1枚の根生葉だけで過ごし,茎はまったく伸びてこず,2年目にはじめて茎がたち花が咲いた.1年目は養分を蓄えるだけの年らしい.発芽1年目のツリガネニンジンは,根生葉しかないため,草刈りがおこなわれてもダメージを受けずにすごせるだろう.むしろ,頻繁に草刈りがおこなわれたほうが根生葉に光があたりやすく有利になるだろう.

 いまの社会では,年3〜4回の草刈り立地は農地周辺にまだまだ広く見られるのに対し,年1回の草刈り立地はより希少な環境となっているように思われる.低頻度の草刈りを必要とする種類にとっての居場所は少ないのではないだろうか.

 上記リンク先の記事で,matsut氏はツリガネニンジンの横からの写真を撮り忘れたそうだ.同じ日に同じ場所で僕はツリガネニンジン横から写真を撮っていた(キキョウの横から写真はちゃんと撮れてなかった).まわりの草がちょっとじゃま.もっとちゃんとアングル考えたらよかった.

リンク先に合わせて500 x 375 ピクセルで.