レッドリストの謎(小ネタ)

 東京都の島嶼部版のレッドデータブック東京都の保護上重要な野生生物種(島しょ部)2011年版)が東京都のウェブサイトで公開されているが,PDFファイルのみの提供(イケてない仕様).CSVじゃなきゃ使い物にならないってば.で,その要望メールをだそうと問い合わせ先をみると,住所と電話番号・ファクス番号は出てるのに,メールアドレスは掲載されていない.ネットで情報を公開するなら,連絡用のメールアドレスもいっしょに示して欲しいなあ.電話で注文するの苦手っす.←訂正します.メアドはでてないけど,質問のフォームがありました.ああよかった.電話しなくてすんだ.
 公開のしかたはさておき,伊豆諸島のレッドリストをみると,イソスミレ(Viola senamiensis)が情報不足(DD)で記載あり.ちょっとまって.イソスミレは日本海側にしか分布がない種類だよ.いくらDDだからって,それひっかかるぞ.もしかしてアツバスミレかなんか海岸型スミレを俗称でイソスミレと呼んでたのを,V.senamiensisのことと勘違いして掲載してるとか?いまのところ正誤表でもこのことに触れていない.これはかなりあやしいことなので,ちゃんと先方に伝えたいけど,ああ,メールアドレスが示されてない!電話しなきゃいかんか.

 内容に疑問があるといえば,富山県レッドデータブック富山県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータブックとやま))にも疑わしい記載がある.イラクサ科の海岸植物であるラセイタソウが絶滅種として掲載されているのだけど,これは太平洋側に分布する種とされており,富山のRDBに絶滅という記録があることをのぞけば,日本海側では分布がまったく知られていない日本海側での確実な分布情報は乏しい.ほんとにあったのか?同属別種のたまたま葉っぱが厚くなってた個体を誤同定しているのではないか?どこかに標本があるのかな?
 ところで,自然海岸率を環境省のデータでみると,富山県大阪府なみに酷いことになってる.富山の海岸線をみたことのない僕には意外だったんだけど,どうも富山県は自然海岸がほとんど残っていないらしい.