消滅飛行機雲

 夏の雲はみていて飽きない.もう何もしないで空だけ見てたら幸せになれるイキオイだ.まったくダメ人間バンザイだ.
 僕の好きな雲のひとつに消滅飛行機雲というのがある.ふつうの飛行機雲は青い空にのびる白い線.一方,消滅飛行機雲は白い雲にできた青い裂け目.つまり,雲ではなく,雲の消えた部分を指す言葉.どうやってできるかというと,薄ぺったい雲を飛行機が突っ切った時,排気ガスの熱で水滴が蒸発するか,もしくは排気ガス中の水と凝集して落下するため,航跡に添って雲がなくなる.
 こないだ,旧西淡町の方へあそびにいったときは,カーブした航跡の消滅飛行機雲をみた.そこは飛行機が進路を変えるポイントになっているのだろう.そこらあたりでは普通かもしれないが,僕の普段の生活圏で飛行機の曲がり道はないので,いままでまっすぐのやつしかみたことがなかった.ちょっとめずらしいとおもって興奮した.
 そんで,ロケット焼をみつけた日に,これまたおもしろい消滅飛行機雲をみた.巻積雲(高積雲かも?)を切り裂いてできた消滅飛行機雲なんだけど,とちゅうのある一点から急に「消滅してない飛行機雲」に変化してつづいていくのだ.なんでこんなことになってるんだろう.下がその写真.わかりにくいかもしれないが,1枚目は消滅飛行機雲.画面右から左へ一直線に巻積雲に裂け目がある(わかる?).2枚目は消滅飛行機雲とただの飛行機雲(ともちょっとちがうっぽいが)の境目.中央より右は消滅しているが,左はまわりの雲より水滴密度が高くなってる.3枚目ははっきりとみえる飛行機雲の側.飛行機はたぶん消滅の側からとんできて,飛行機雲の側へと飛び去ったと思う.このへんはそっちむきの航路になってるので.飛行機がこれをつくりあげていくところを見てたら楽しかっただろうなあ.そういえば,飛行機雲のできるところはしょっちゅう見るけど,消滅飛行機雲のできるところはみたことない.みてみたいなあ.