地方のビジョン

 順調に人口が減少している小さな田舎街なのに,行政の人や議員さんなどのえらいひとは,現状の倍くらいの人口を前提として将来のビジョンを描きたがる.人口密度の低い地域なので未利用地や遊休地がたくさんあるが,それをみて「開発の余地がある」とか「伸びしろがある」という.素人目にも無理がありすぎだ.
 街の将来のことを考えるなら,人口が半減することを前提にビジョンを立てるべきだと僕は思う.人口が半減したときに住民が幸せに暮らせる街はどのような街か.そのために,どのようなしくみが必要か.どのようにしてそれへと誘導するか.人口が半減したときにどのようにして地域の自然や資源を守り,活かすか.それを考えるべきだ.
 “都市から近く,自然や古い文化がそこそこ残され,食糧自給率が100%を超える農業と漁業と観光の島”という,他にない価値をもつ街だが,それらの価値を削ってまで都会化をすすめても,疲弊する一地方都市として埋没するだけじゃないか.
 うまくいえませんけれども(←それはいつものことです).