アサギマダラとスナビキソウとネズミムギ

 午後の数時間が自由になったので,1年の学生数名をさそってアサギマダラを見に行った.この学生はセンスオブワンダー部という部を勝手につくっている.部の名称はレイチェル=カーソンの著作に由来しているということで,アサギマダラを見るのはこの部の活動の一環らしい.
 淡路島の北端部の海浜にはスナビキソウという海浜植物が生えている.海浜環境の悪化とともに生育地が減少し,兵庫県レッドリストではBランク(兵庫県内において絶滅の危険が増大している種).淡路島の西海岸には点々と数箇所に分布がある(東海岸にもあるかもしれないが僕は未確認).
 アサギマダラは渡りをする蝶で,春に日本列島を北上していき,秋には南下する群れがみられる.
 スナビキソウは,アサギマダラが北上する際の吸蜜植物のひとつだそうだ.淡路島の北端にあるこの海浜もアサギマダラな人々の間では有名らしい.僕も2006年に知人に案内されて,ここにアサギマダラを見に来ている.そのときは,アサギマダラの時期としてはやや遅めであったが,スナビキソウに舞う小集団をみることができた.
 今回,この海浜に行ってみて,スナビキソウこんなに少なかったっけととまどった.スナビキソウはそれなりにはあるけれど,2006年よりも少なくなっているような気がする.かわりにやたら目立つのは外来牧草のネズミムギだ.この海浜の植生帯でもっとも優占している.前もネズミムギこんなにあったっけ?ここまで繁茂していなかったような気がするが,記憶は定かではない.前もこんなだったかもしれない.週明けに職場においてある2006年の写真と見比べてみよう.アサギマダラは1匹だけ確認.アサギマダラが1匹しかいないのは時期の問題かもしれないし,天候がいまいち(曇天・やや強い風)なせいかもしれない.
 外来生物はさまざまなタイプの生態系で問題となっている.海浜植生でとくに目立つのは,ネズミムギを含むLolium属,オオフタバムグラ,コマツヨイグサだ.
スナビキソウ アサギマダラ
ネズミムギ ネズミムギが優占
 お断り.ここを読んでおられる方の中には「sawagani550,そんなヒマがあったらこっちの集まりに参加せえよ」とおっしゃりたい向きもいらっしゃるかと思う.僕も少しはそう思う.が,いろいろと事情があってアサギマダラな午後を過ごすことになってしまいました.すみません.ほんとはそっちにも行きたかったんです.