作業手袋

 草原の調査でたいへん重宝している手袋を紹介する.それは,ウレタンでコーティングされた薄手の作業手袋である(たとえばこちらのリンク先).
 草原調査では皮膚の露出部分,とくに手首や手の甲が切り傷だらけになったりかぶれたりしやすいので手袋が必須である.かつては軍手をつかっていたが,軍手ではいろいろと不便があった.軍手は指先感覚がにぶく,カメラなどの機械の操作がしにくかったり,調査用紙をめくりにくかったりした.また,すぐに泥だらけになるために調査用紙や調査道具がひどくよごれてしまったり,濡れて重くなったり,付着散布型の種子があっというまにびっしりとこびりついてとれなくなったり,数回つかっただけでよれよれになってしまったりといった,素材の特性からくる弱点があった.
 ウレタンコーティング作業手袋はそれらの問題点をほぼ完全に解消する.指先にフィットしてしかも滑りにくいので,カメラなどの操作にまったく支障がない.紙を一枚ずつ,ノートを1ページずつめくることができる.手袋越しでもネバリタデやノアザミのねばりが感知できる.泥だらけになったり水を吸ったりしにくい.1双あたりの値段は300円以下で,軍手より長持ちするからかなりお得.先日の調査ではヤマカガシを捕まえたけど,すべりにくい素材のおかげか,素手で捕まえるより簡単だった.
 おもに果物の収穫や選別などで使われるものらしく,農業の盛んな地域のホームセンターにいけばすぐにみつかる.
 友人matsut氏は植生調査に役立つ情報をまとめていて,その中でもこの手袋を紹介しているけど,ほんとうに使い勝手がよいものなので多くのフィールドワーカーに知っていただきたく,僕もここで紹介した次第.2006年以降,僕の周りで愛用者が激増してます.