きぐま

 [いきもの]カテゴリであげるのは違う気もするが,きぐまである.但馬では,山の中などに薪をまとめてつみあげて保存している.これを「きぐま」と呼ぶ.写真のきぐまは,先日の豊岡での演習の際に田んぼと林の境界でみつけたもの.一番下は直径10cmくらいの青竹を長手方向に6〜7本並べてある.両端には薪がくずれないよう杭を打ち込んである.タケの上に薪をびっしり積み上げて,一番上はトタン板で覆い,重石としてコンクリートブロックを載せている.きぐまの両側には,過去につかわれたトタン板が土に帰りつつある.
 一昨年,但馬でカヤ場についての聞き取り調査をした際に,カヤの用途として,家の屋根を葺くことのほか,きぐまの屋根につかうという話も聞いていた.きぐまの屋根に使うカヤは毎年あたらしいものに取り替えていたそうだ.
 聞き取り調査のときにはきぐまが何かわからなかったが,今回,きぐまの本物をみることができてちょっとうれしい.きぐまがあるということは,このへんには薪炭林がまだあるということだし,生活に薪をつかっているということだ.但馬はすごいな.