蜘蛛の子

 先月,部屋の中のどこか(たぶん養蜂箱だろう)で蜘蛛のたまごが孵化したらしく,ある朝,たくさんの蜘蛛の子が蜘蛛の巣にのっかっていた.むかし見た蜘蛛の子はゆびを近づけたら爆発するように散って,ああ,蜘蛛の子を散らすってこういうことか,と楽しんだおぼえがあったので,指を近づけてみたけど,この蜘蛛は爆発するようにはちらなかった.退治する理由もないので,放置していたら,だんだんと蜘蛛の子らは天井付近に移動していって,蛍光灯のまわりに住み着いた.ときどき,ながーい糸をたらして,大勢の蜘蛛の子が一列になってぶらさがってることがあって,そういうときは,芥川龍之介はこういうのをみたのかなあと思った.最近,寒いのか,食べるものがないためか,天井付近からぱらぱらと蜘蛛の子の死んだのがおちてくる.毎朝,机の上には二匹三匹くらいの蜘蛛の死んだのが落ちている.天井付近にはあと30匹くらい残っている.なんという蜘蛛か知らない.写真はファーブルを使って撮影.上手く撮れない.おおきさは2mmくらい.