南あわじでじゃこ天を買って調査をした

 南あわじにある砂丘へ行って、ちょこっとだけ外来種の調査をした。ある外来種について、5月ごろに抜根除草区と放置区(対照区)を設けておいた。今回、それぞれで発芽数をカウントした。てきめんに違いがでていて、除草区では発芽はほとんどなく、対照区では大量の発芽があった。あたりまえといえばあたりまえと思われるかもしれない。しかし、このことは、散布された種子のほとんどが当年に発芽してしまい、休眠して翌年以降にもちこされる種子が少ないことを示している(と思う)。このことから、この種については、結実前の抜根除草によってすみやかに低密度に抑制することができそうに思われる。別途行った発芽試験でも、この種の種子はあまり休眠性がなさそうだということは確認している。あとは、効果的な除草手段をみつけることが必要だ。海水散布?抜根?刈り払い?除草剤!?
 もうひとつ、気になることは、この外来種(A種とよぼう)は、(海浜によっては)もうひとつの外来種B種と季節によって交替しつつ同所で優占することである。A種は晩秋に芽生え優占群落を形成して5月ごろに枯死する。B種はその後を埋めるように、晩春に芽生え優占群落をつくり9月ごろまではびこる。もし、このA種(とB種)が在来種を競争的に排除しているなら、春期を占めるA種を低密度に抑えられれば、B種に先んじて在来海浜植物が優占できるようになり、B種を排除するかもしれない(それはまた都合がよすぎる考え方だが)。
 海浜をみていると、外来種がはびこっている場所は、土壌表面の硬さから2つのタイプに分けられるように思う。ひとつは、土壌が固く締まっているもので、こういう場所には内陸の植物がどんどん生えてきて優占し、海浜植生はまず成立しそうにない。もうひとつは、固く締まっていない場合で、こういう場所は海浜に特徴的な外来種が目につき、この外来種を排除できれば、海浜植生が回復しそうな気がする。A種B種は後者の立地によく見られるだけに、その管理方法があっていいのではないかと思っている。