ネイチュア・フィーリング

 講習会の会場で,自然保護協会が出している本を何冊か購入した.その中の1冊「ネイチュア・フィーリング からだの不自由な人たちとの自然観察」が面白く,持ち帰った日のうちに一気に読んだ.
 目の不自由な人の前で風景や色について語るのは悪いって思ってる人もいるだろうが,実際には,目の不自由な人は風景や生き物についての説明を,耳の不自由な人は鳥や虫の鳴き声や川のせせらぎの音についての説明を望んでいる.見える人・聞こえる人は,見えるもの・聞こえるものを言葉で説明するのが実は不慣れで難しい.でも,それを言葉で説明する訓練を繰り返すと,そのうちに自らの観察眼もするどくなるという.
 目の見えない人が,見える人といっしょに流星群の観察をしたときに流れ星を実感できてとても感動した,と述べている箇所があって,見えない人の世界の認識のしかたが少し伺えて興味深かった.この本には,随所に,見えない人,聞こえない人,体の不自由な人からの意見が書かれているので,自然観察会の企画だけでなく,公園設計などにも大いに参考になると思う.