ゆるゆる授業

 7時に出勤して授業の準備(配布資料づくり)と雑用.資料は,今回の授業のねらいを明示したプリントと,散策コースの地形図と航空写真.航空写真のコピーは原本とおなじ向きで印刷してしまったが,北を上にして印刷すれば(地形図と同じ向き),学生たちの使い勝手が向上しただろう.要改善.

 資料を作り終えたらすぐに2限がはじまる.担当のF先生といっしょに駆け足で教室へ.さいしょにちょっとした説明をしてから出発.「今日の授業はゆるゆるです」と宣言しておいた.

 今回の目的のひとつは生き物のにぎわいの楽しさを実感することにあるので,ファーブル(携帯型の実態顕微鏡)や双眼鏡を希望者に貸し出した.歩き出したけどぜんぜん進まない.3歩あるくごとに何かおもろいものをみつけてひっかかる.こんなんで,授業時間内にもどれるのか(結局ちょっと遅れた).
 
 今回の散策は「生態学」と「造園樹木」のふたつの講義をつかって行っているので,ゆるゆる授業といいつつも,こうした内容に触れながら進む.地図や空中写真の見方,生態学でいう景観とはなにか,植生の見方,種子散布,植生遷移などなど.百聞は一見にしかずで,現場をみながら説明するほうが理解しやすいことは多い(理解してもらえたかな?).

 パイロット事業で整備された圃場の畦畔は,ヨモギセイタカアワダチソウ,チガヤ,クズ,イヌタデヘクソカズラなどばっかりで,種類はあまりでてこなかった.放棄された畑を見渡せる場所からは一面のクズの藪が延々と広がっているのを見た.原地形のまま(でもないけど近年の大幅な地形改変をうけていない)の道端の刈取り草原はいろいろでてきて面白い.野菊の天国.ノコンギク,イナカギク,シマカンギク,ヤクシソウ(これを野菊にいれていいのかどうかはさておき).ヨメナってなかなかないなあ.センブリの葉をかじって苦さに顔をしかめてみたり.未整備の圃場の畦畔では,リンドウ,コバノタツナミ,アキノタムラソウ,ツリガネニンジンヤマハッカなど.素掘りの水路やその脇ではスイラン,ミズオオバコミゾソバなんかがきれいな花をつけていた.タイコウチをつかまえた.シャシャンボやアキグミやムベを食べた.ヤマノイモのむかごを採集した.

 盛りだくさんのゆるゆる授業がおわったらもう15時過ぎ.5限は研究室のゼミでそれがおわったらもう真っ暗ジャマイカ