大阪自然史博の特別展「石は地球のワンダー」行ってきたので小並感をまきちらす

 4月22日午後1時すぎに入館。そこそこの入り。ガラガラではないが、さほど混雑しておらず、ゆったりと楽しめた。事前にどなたかのtwitterで子供向きのワークシートが示されてて、楽しみにしていたが、今日は会場には置かれてなかったようでちょっと残念。僕が気づかなかっただけかな。
 これまでの特別展だと、おそらく伝えたいトピックスやストーリーがまずあってそれに見合う標本を並べている。一方、今回の特別展では2人のコレクションがまずあって、それを観賞することがメインなのだろう、全体に解説は控えめで順路の指定もない。コレクションから何を読み取るかは来館者の自由。このコレクションすげーと感嘆するだけでも十分なのかも。
 いつもはイケアのように曲がりくねったレイアウトのネイチャーホール。今回は四角いままの巨大な空間。右半分が金澤芳廣化石コレクション。左半分が北川隆司鉱物コレクション。
 鉱物コレクションはまず鉱物の美しさと大きさに圧倒され、これが地面の中で自然に生まれていることにワクワクし、鉱物の多様性にもほれぼれする。こどもにどれが好きかを聞いてみた。小4の子は紫水晶と桜石を推す。小2の子は自然硫黄と真っ青な岩塩とコスモクロア輝石がきれいだと言った。僕は黄鉄鉱の六面体結晶のでかさと輝きに惚れた。カリ長石のあほみたいな大きさにおどろいた。針鉄鉱はクギのような力強さ。砂漠のバラは球状にまとまって群体を成し、ハマボウフウの若い果実のようだと思った。透け透けの白雲母の大きく薄い六角板状結晶はその壊れそうな繊細さにどきどきし、扱いがたいへんなんだろうなと思った。淡青色の蛍石はおいしそうだった。忍石はただただすばらしい。地学の知識があればさらに楽しめるだろうが、残念ながら僕はこどもとたいして変わらない感想だけを抱いている。でも十分たのしい。
 化石コレクションはカメとハドロサウルス類については、僕の想像力と観察力が追い付かなくてよくわからなかった。アンモナイト、エビカニウニ、それと植物化石の一部(木本シダの幹など)は説得力がある形状で楽しい。四国〜大阪あたりにあった海盆にこんなにいろいろなアンモナイトがいたことが面白い。小4の子は「なんで種類ごとに場所がきまってるん?」と僕に聞いてきたが、それ、僕も知りたかった。あと、これらが同時期に生きてたのか、ズレがあったのかも気になった。展示されてるアンモナイトは10種強あったかな。これらの種類別の化石産地と生きていた年代の一覧があるともっとおもしろいのになあ。あと、やっぱり化石だから殻の全体のカタチがわかるのとわからんのがあって、化石として鑑賞するならこのままでもいいんだけど、いきものとして見たいから、殻の全体像のイラストを見たいと思った。「和泉層群のアンモナイト図鑑下敷き」があったら5枚は買う。片面は全体像のイラストが並んでて、もう片面は化石写真が並んでるやつ。うわー。めっちゃほしい。ノジュールを割ってクリーニングして再びノジュールをくっつけた標本、むちゃくちゃかっこいい。これ、ライトのコードが見えてるのがちょっと興ざめで、コードなしで光源が中に入ってたら芸術点がいまの5倍くらい付くと思う。カニは、手のひらサイズのノジュールで、かわいらしい。リヌパルスのエビの化石はやけに新鮮でよかった。化石産地の半分くらいが淡路島だったので子供たちもうれしかったようだ。二人ともディディモセラスに惚れていた。
 さいごの都道府県の石のコーナー。鳥取県の岩石が「砂丘堆積物」であることを初めて知った。砂だ。それを県の岩石と言い切る鳥取、素晴らしいと思った。岡山の万成石と広島の花崗岩はどこがちがうかよくわからんかった。
 特別展を見た後は本館へ移動し、こどもたちが「キラキラぴかぴか石さがし」のワークショップに参加。こちらは大盛況でかなりごったがえしていて、担当の方がたいへんそうだった。「石」テーマでこどもをここまで食いつかせるのはすごいと思った。